ブラウザでウェブページを開いたら突然上画像のようなページに切り替わってしまったことはないですか? それとも今正にこのページが表示されてしまっていますか?
出ちゃってる方はそのままストップ! 絶対に「更新」や「続行」、「こちらをクリック」などのボタンを押さないでくださいね!!
最近このシステム警告が突然あらわれるトラブルが頻発しています。
この「システム警告」は「偽警告」で、まんまとダマされたユーザーにソフトウェアをダンロードさせようとする「詐欺警告」なんです。
最近ではこの詐欺警告の類を「ダウンロード爆弾」「サポート詐欺」なんて表現します。
今回は「Windowsセキュリティシステムが破損しています」や「お使いのコンピューターはウイルスに感染しています!」などの偽警告表示(サポート詐欺)が出てしまった時の対処方法や表示されてしまう原因を紹介します。
目次
偽のシステム警告にはバリエーションがいくつかある
様々な「サポート詐欺システム警告」のバリーション
この警告は、別に怪しいウェブサイトを閲覧しているわけでもなく、普通のブログなどを閲覧しているときに突然ページが切り替わり表示されます。
詐欺警告は数パターンありますが、上の画像が最近多いようです。
「トロイの木馬ウイルス」などのマルウェア名で攻めてくるバリエーションに、
「ウイルスに感染しています」系のバリエーションや、
WinX9 というページが開いて「警告:システムファイルが古くなっています」なるバリエーションもあります。
これは結構エゲツないタイプ。
「不審なアクティビティの為 Windows がブロックされました」と表示されて、記載の電話番号へすぐにかけろという完全なる「サポート詐欺」系の詐欺警告です。
こちらも電話番号型のサポート詐欺系の偽セキュリティ警告。沢山のウィンドウがポップアップして不安を煽ってきます。
パソコンと電話を使った複合フィッシング詐欺ですから、もちろん電話をかけては絶対にダメです。やばいところへ電話が繋がるだけですから・・・。
どの詐欺警告も、なかなかもっともらしくて心の不安を大いに煽ってきます。
そのほか、過去に発生したインチキ警告のバリエーションはこんなにも沢山あります。システム警告系からウイルスやスパイウェア系など本当に沢山あります。
見たことある詐欺警告ありますか?
詐欺警告ではありませんが、Google を騙る偽当選お知らせ「おめでとうございます」バージョンも最近よく遭遇します。
詐欺警告は特殊効果もバリエーション豊富
パターンによって、ブラウザがフリーズしたり「ピー音」が鳴ったりします。結構な音量でけたたましくなるので、まあ、焦らない方が難しいですよね。
- PCのデータがあと○秒で削除されます
- こちらの身元を特定したかのような表現
- ウイルスに感染していてもうだめですよ危険な状態
- けたたましい警報音をならす
- ウイルスへの防御が弱くなっていて対応が必要です
このような感じで上手いこと不安を煽ってきます。
因みに「ファイルは ○秒で削除されます」の秒数が 0秒になるまで待ってみると……0秒で停止して、そのままで何も起こりません。
サポート詐欺・偽警告かどうかの見分け方
いきなり警告がでて、もっともらしく「Microsoft」や「Windows」と表示されていれば普通の人なら焦り不安になります。しかたのないことです。
でも、偽警告かどうかは落ち着いて観察するとすぐにわかります。
ブラウザにセキュリティソフトと同等の機能ありましたっけ?
まずウイルス系の警告はこの項目でばっちり偽警告だとわかります。
パソコンにウイルスが入り込もうとすれば、ブラウザでは無くインストールしているセキュリティソフトが反応して教えますよね。
危なさそうなページを開いたら「危ないよ」って教えてくれるのもセキュリティソフト。
ウイルスが侵入していれば、「パソコンやばいよ~」って教えてくれるのもセキュリティソフトであってブラウザではないですよね。
ブラウザがセキュリティしてくれるならセキュリティソフトは要らないですから・・・。
というわけで、ぶっちゃけもうこの時点でウイルス系の警告であれば「偽警告だね~」って推測できちゃいます。
ただ、「システム破損」や「システムが壊れている」みたいなのは「ウイルス」ってワードが使われていませんし判断難しいですよね。
公式と偽ではテキストの書き方が違う
上の画像は偽警告です。○が付いている部分をよく見てから下の画像を見てください。下の画像は本家 Microsoft 公式の文章です。
公式の文章は英語と日本語の間には「Windows の最新」のように必ず半角スペースで余白が用意されます。偽警告にはありません。
ネット文章で日本語と英語を組み合わせるとき、言語が違う単語の区切には半角スペースをいれて読みやすくします。
また、英数と日本語の切れ間に半角スペースを入れないと「音声読み上げが円滑に行えない」という理由もあるからです。
ちゃんとリテラシーのあるライターや大手メディアはこういう配慮をしっかり行います。素人とプロの差というやつです。
特に Microsoft は 100% どのページを見てもこの書き方なので、英数と日本語の区切に余白がないことはありえません。
偽警告はこういうところでツメが甘いのでわかりやすいです。
公式と偽では URL が違う
テキストで判断できなくても、URL が違うので見分けがつきます。
ウェブページの URL 表示部分に「鍵のマーク」と「保護された通信」が無いのが偽警告です。鍵付きURLは費用がかかるので詐欺サイトでは導入されにくいのかもしれません。
また、Microsoft 関連の公式サイトには、どんなページでも必ず「microsoft.com」が URL の最初の方に含まれています。これは絶対です。
しかし、偽警告には「microsoft.com」がありません。
これが一番わかりやすい判断材料かもしれません。
今のところ、こんな感じで偽警告かどうかを概ね見分けることができます。
偽警告の目的
目的①:お金を得るため(フィッシング詐欺)
この偽警告に記載されている電話番号に電話をかけさせて、お金を得るのが目的です。この目的が一番多いと思われます。
最近では「サポート詐欺」なんて呼ばれています。
目的②:ソフトウェアをダウンロードさせるため
偽警告は、ソフトウェアをダウンロードさせるためのページを開かせるための窓口としても利用されます。
「更新」や「こちらをクリック」などのボタンを押すと、ダウンロードページが開き、無料でソフトウェアをダウンロードさせます。
騙されたユーザーは有難がってインストールします。
すると、パソコンにスケアウェアやトロイの木馬など様々なウイルスが入り込むという寸法です。(ウイルスではなく有料のソフトウェアを買わせるだけの場合もあり)
突然現れてダウンロードを要求してくるので、最近ネットでは、この類の詐欺警告のことを「ダウンロード爆弾」と表現するようです。
また、アダルトサイトへ飛ぶというパターンも読者の方から報告いただきました。
口汚い言い方をするならば、ゴキブリホイホイならぬ「情弱ホイホイ(情報弱者ホイホイ)」というわけです。
偽警告はどこから発生する?
ウェブページのリダイレクト型広告からランダムで発生したり、ページ切り替えの際にブラウザのセキュリティホールに不正なプログラムを割り込ませて発生させたりなど手口は様々。
ただ、国内外の怪しげなサイト、動画サイト、違法ダウンロードサイト、アダルトサイトなどアングラ的なページを経由して表示されることが多いという報告は見受けられます。(最近では普通のサイトでもバンバンでるみたいです – 2018年5月追記)
一つだけ言えることは、この偽警告がでてしまっても、
あなたのパソコンがウイルスにやられたわけでもプログラム破損したわけでもありません! そこは安心してください!!
更新を押して、開いた先のページからプログラムをダウンロードしてしまわない限りは影響はありません。
偽警告は、Internet Express がもっとも表示されやすいです。これは間違いありません。ブラウザを変更することで発生しにくくすることができます。
偽警告が出た時の対処方法
ブラウザがフリーズしていない場合
「✕」ボタンを押して、タブまたはブラウザを閉じてしまえば、それだけで終了です。
とくにパソコンに悪さをするものは入り込んでいませんのでこれにて終了です。
ブラウザがフリーズしちゃってる場合
まず「alt +F4」キーを押してみてください。ブラウザを強制的に閉じるコマンドです。
それでブラウザが閉じない場合は、「Ctrl + Shift + Esc」同時押しで「タスクマネージャー」を起動します。
タスクマネージャーが詳細表示の場合
タスクマネージャーが詳細表示の場合は、プロセスタブから起動中のブラウザを選択して(画像の場合はChrome)、タスクの終了を押せばブラウザが閉じます。
タスクマネージャーが簡易表示の場合
タスクマネージャーが簡易表示の場合は、一覧に表示されているブラウザ(画像の場合は Chrome)を選択して、タスクの終了を押せばブラウザが閉じます。
・・・
ブラウザが無事閉じれば対処完了です。パソコンには悪いものは入っていませんので安心してください。
もしも、これでもブラウザが閉じない場合はPCを再起動しちゃってください。
PC自体がフリーズしちゃった場合
PC自体がフリーズして上記のタスクマネージャーも開かないといった場合は、PCを強制的に電源OFF にします。
ただし、間違ってもコンセント引っこ抜きやバッテリーを取り外すというような強硬手段は、パソコンの故障やデータ消失を招くのでおこなわないようにしてくださいね。
PCがフリーズした場合の電源の落とし方は以下の別記事で紹介しています。
念のためにブラウザキャッシュの削除をしておこう
ブラウザの閲覧履歴に詐欺警告の URL も記録されてしまっているので、念のために閲覧履歴や画像のキャッシュを削除しておきましょう。
Chrome と Edge のキャッシュ削除の手順は以下の記事で詳しく紹介しています。
IE11(Internet Explorer 11)のキャッシュの削除手順は以下の記事で紹介しています。
詐欺ソフトウェアをインストールしてしまった場合
詐欺ソフトウェアをインストールしてしまった場合
もしも、本記事に出会うのが遅くて、詐欺ソフトウェアをインストールしてしまった場合は「システムの復元」を行い、PCにその詐欺ソフトウェアをインストールする前の状態に戻すことで不正プログラムによる被害を回避できる確率が高いです。
システムの復元のやり方は別記事にて掲載しているので参考までに。
自分が詐欺ソフトウェアをダウンロードしたかどうかよくわからない場合は、ブラウザのダウンロード履歴を確認するとダウンロードの有無がわかります。
インストールしたかどうかはプログラム一覧で確認できます
インストールしてしまったら、たとえアンインストールをしても、セキュリティソフトにひっかからない類のウイルスや不正プログラムが残っている可能性が無きにしもあらず…
人様に迷惑を書けない為と何よりも自分の為に、ぼくなら確実に「システムの復元」か「PC 初期化」を行いますね・・・。
どこまでがセーフでどこまでやったらアウトなの?
うっかり更新を押してしまった、ダウンロードしてしまった・・・このような問い合わせが多いので、セーフ・アウトのボーダーラインを追記します。
ここまでがセーフ
- 詐欺警告が表示されたのでブラウザをすぐに閉じた
- 更新ボタンを押してしまったが、ダウンロードせずにすぐ閉じた
- ソフトウェアをダウンロードしてしまったがインストールはしていない
ここまでがセーフです。
ダウンロード時にセキュリティ上やばいファイルがあった場合、上で紹介しているようなちゃんとしたセキュリティソフトを利用中なら、そこは教えてくれるはずです。
因みにダウンロードされるソフトウェアのインストーラーは圧縮ファイルなので、セキュリティソフトでは悪いものか判別できません。普通にダウンロードされちゃいます。
ダウンロードしてしまったインストーラーは確実に削除処理してくださいね。
これがアウト
- ダウンロードしたソフトウェアをインストールしてしまった
- 記載の電話番号に電話をかけてしまった
- お金を支払ってしまった
詐欺警告が相手にやって欲しい望みはコレなので、インストールや電話をかけてしまったらアウトです。
電話をかけちゃった人は、お金を支払ってしまうことが多いので、とにかく電話はかけてしまわないように危機管理の心構えを。
もし電話をかけてしまった時にはそこで踏み留まって!
実際に、ぼくの叔父がこの Windows セキュリティ警告に表示される電話番号へ電話をかけてしまい、相手の言われるがままに2万円分の Google Pay を支払ってしまうというサポート詐欺の被害に遭いました。
実際に叔父が被害に遭った時の流れはこう▼
- PC の画面に出た Windows セキュリティ警告に表示された電話番号へ電話をかけてしまう。
- 電話の相手から「それを解消するには2万円の作業料がかかる。Google Pay 2万円分のプリペイドカードに記載のコードをメールに送ってほしい」と。
- 叔父は相手に言われるがまま 2万円分の Google Pay を支払う。
- 支払いが確認されたあとに再び電話がかかってきて、リモートで PC に接続して作業を行うと言われる。メール添付のリモートツールに許可をしろと支持されます。
- リモートツールに接続を許可してしまいます(この時点でバックドアという個人情報などを抜くプログラムを仕込まれてしまいました)。
- リモートで PC を動かされたあとに、電話で再び「この PC の問題は複雑なのであと2万円追加しないと直らない」と言われる。
- ここで叔父は「おかしい」とやっと気づく。叔父は「別の業者に頼むからもう結構だ」と相手に伝える。
- 詐欺に遭ったことを警察へ被害届を出す(お金は 100% 戻ってきませんが、必ず警察には届けましょう)。
- PC を初期化する。別の PC やスマホを使ってネットサービス、ネットバンキング、ショッピングサイトなどのパスワードをすべて変更する(バックドアをしこまれているのでとにかく迅速に全ての情報を変更する)。
- PC を初期化する(警察にも必ず PC を初期化するように指導されたみたいです)。
- 携帯電話の電話番号を変更(カモ番号だという情報が裏で出回ってしまうかもしれないので電話番号を変更しました)。
偽 Windows セキュリティ警告に電話をかけてお金を支払ってしまうと、このような本当に大変な事後処理をしなくてはならなくなります。
もちろん一番悪いのは詐欺を働く人間たちなのですが、詐欺にひっかかってしまったのは浅はかである自分です。
世の中のどうしようもできないことのひとつですから誰も責められません。
こうなる前に絶対に踏みとどまってください。誰かに相談してください。
叔父もせめて1回目の電話の時点(お金を支払う前に)でぼくに相談をしてくれていれば防げたはずなのです。
サポート詐欺の特徴
- オペレーターの日本語が怪しい(この時点で詐欺を疑ってください)
- あなたは何人ですか?と訪ねてください「米国人」「英国人」と言ったら詐欺です(普通は日本の客にそう尋ねられたら「アメリカ人」「イギリス人」と言います)
- 「コンビニに行け」と言われたら 100% 詐欺です(電子マネーを買えは詐欺)
“自分に限って大丈夫” は詐欺に遭ってしまう人の多くがもつ共通思考です。判断に迷うことがあれば、周りにいる PC やスマホに詳しい人、または警察にすぐに相談しましょう。1歩立ち止まって、そのアクション踏みとどまってください。
Android バージョンも在るので同じく気をつけて!
Android 端末でも同じような詐欺警告があります。結構流行っているので、Android をお使いの方はあわせて知っておくと、いざ直面したときに慌てずにすみます。
以下リンク先の別記事で詳しく紹介していますので合わせて読んでいってください。
もしもの時のウイルス対策は大丈夫ですか?
年々増加しているウイルスによる被害。以前猛威を奮ったランサムウェアは記憶に新しく、最近では「ラピッドサイバー攻撃」という感染後、自己大量増殖機能をもった凄いのが上陸してきました。
ラピッドサイバー攻撃に関しては、Microsoft も最近警鐘を鳴らしています。
もはや対岸の火事ではすまされないセキュリティ事情。今回の詐欺警告もしっかりウイルス対策をしていれば、仮にうっかりダウンロードしても防いでくれるかもしれません。
備えあれば憂い無しという言葉そのままを贈ります。
新種のウイルスへの対応が早めなおすすめセキュリティソフト
どれも大手の歴史あるセキュリティソフトの老舗です。ランサムウェアの時も、以下のセキュリティソフトの対応は滅茶苦茶早かったです。
大手セキュリティソフトは、本記事で紹介の詐欺警告なども常に最新版にしておけばある程度表示しないよう防いでくれます。
まあ、イタチごっこなので新しい詐欺警告がでれば、おっかけで対応していく…という感じですが一定の効果はあります。
因みに、Windows Defender だとちょくちょく詐欺ページでてきちゃいますね・・・。
以下はどれも無料の体験期間があり、気軽に試せますので安心して選ぶことができます。
あとがき
この偽警告は「振り込め詐欺」と同じ要領の類いなので、もし偽警告が出てきても、パニックを起こさずに落ち着いて対処してください。
必要なら本記事をブックマークして置いて、その都度対処にあたっても良いでしょう。
とにかく、落ち着いて冷静に焦らず対応してください。