Microsoft Office は、お仕事スタンダードなアプリなので、パソコンを使ってお仕事するなら特に Word や Excel は必ず入れておきたいアプリケーションです。
最近「ノートパソコンにも Office を入れたい」と欲していたのですが、いかんせん Microsoft 純正の Office は値段が高い。使用頻度を考えると非常にもったいないのです。
Word と Excel だけの Office Personal 2019 は約32,000円・・・高額すぎます。
そこで、代替の純正ではない他社製の Office ソフトを試してみることにしました。
格安の Office 代替ソフトである「WPS Office(キングソフト)」を購入して使ってみたところ、レイアウトも洗練されているし、互換性もなかなか素晴らしいという結果に。
今回は「キングソフトの WPS Office は純正 Office の代わりになるのか? 実際に WPS Office を購入してしばらく使ってみた感想」を紹介します。
目次
キングソフト「WPS Office」とは
「WPS Office(ダブルピーエスオフィス)」とは、Office 互換ソフトの老舗「キングソフト」が売り出している、文字通り Microsoft Office の互換ソフトです。
よく、新しいパソコンを購入したときに試用版が初めからインストールされていたりしますよね。旧名が「キングソフトオフィス」なのでご存知の方も多いのでは?
WPS Office は純正の Office と同じで含むソフト内容によって価格が違います。
- Writer(ライター)= Word と互換
- Spreadsheet(スプレッドシート)= Excel と互換
- Presentation(プレゼンテーション)= PowerPoint と互換
となっています。
今回ぼくが購入したのは、Word(文書作成)と Excel(表計算)の代わりとなる2つのソフトが含まれた「WPS Office Personal Edition」です。
※現在は WPS Office 2 が主流です。ぼくは 1 と 2 両方とも所有していて、どちらともしっかり互換性の確認を行っています。


パワーポイント的なものが含まれた「WPS Office Standard Edition」もあります。


Mac 版もリリースされています。


Microsoft 純正の「Office Personal 2019(Word と Excel のみ)」が、約32,000円だということを考えると、WPS Office の 3,000円台は破格のお値段ですっ!
はてさて、その性能はいかに?
まずは「WPS Office」をパソコンへインストール
WPS Office はパッケージ版とダウンロード版がある
今回は、パッケージ版を購入しました。同梱内容は以下。
- インストール用のディスク
- 簡単な機能解説書 & 説明書
- シリアルキーが記載された紙
ぼくは、外付けのディスクドライブを持っていたのでパッケージ版にしましたが、もちろんインターネットを用いたダウンロード版も販売されています。
純正の Office はパッケージ版がありませんからネット環境必須なのですが、WPS Office はパッケージ版があるので非ネット接続のパソコンでも導入できて便利ですね。
実際にインストールしてみる
ディスクドライブにインストールディスクをセットして、いざインストール開始です。
ライセンスに同意にチェックをいれると、イントールボタンが点灯します。ぼくは、ユーザー改善プランには参加しないので、そのチェックは外しました。- インストールが終わるまでまちます。
「Writer = Word」「Spreadsheets = Excel」「Presentation = Power point」という感じで、インストールが完了するとデスクトップにそれぞれアイコンが表示されます。
インストールが終わって、各アプリケーションを起動すると、最初の1回目の起動だけシリアル番号入力ウィンドウが開きます。同梱のシリアルキーを入力すれば以後は永続利用できます。
ここ注意点です
Word と Excel の代わりになる2つのアプリケーションしか使えないはずの「WPS Office Personal Edition」でも、パワーポイントの代わりの「WPS Presentation」がなぜか一緒にインストールされてしまいます。
しかし、WPS Presentation が使えるライセンスではありませんので、利用することができませんでした。ひとつだけ選んでアンインストールができないので、とりあえず放置するしかありません・・・ここだけちょっと不満です。
WPS Office が純正 Office の代わりになるか実際に検証
WPS Writer が Word の代わりになるのか? 検証
Microsoft 純正 Word 2016 の新規テンプレートで作成した docx ファイルを WPS Writer でも開いてみて、おかしな部分はないかどうかの互換性を検証しました。
見出し付きのごくごく一般的な文書です。レイアウトは全く問題がなく、フォントなどの細かい部分もなかなか正確に表示できています。
普通の文書作成の互換性は無問題です。
表を使ったアンケートみたいなものも互換性バッチリです。かなり正確に表示されています。こういった簡単な文書や表は WPS Writer で全く不足がないですね。すごい。
カード型レイアウトを作成したファイル。
カードレイアウト、フォントやトンボの位置などは全く問題ありません。ただし、1点だけ問題のある箇所があります。
Word 2016 では画像の明るさを調整していて、画像の色味を少し薄めに設定してありますが、WPS Writer ではそれが反映されず「素」の状態です。
WPS Writer では Word で設定を施した画像調整が効かないようです。もちろん、Writer 側で再度調整をかけることはできますが、その部分だけ互換が無いので注意が必要です。
Word で画像をレタッチすることはあまり無いと思うので、個人的には問題になりません。
縦書きの互換性も問題ありません。
WPS Spreadsheets が Excel の代わりになるのか? 検証
Microsoft 純正の Excel 2016 の新規テンプレートで作成した xlsx ファイルを WPS Spreadsheets でも開いてみて、互換性をチェックしてみました。
はじめに、WPS Spreadsheets は一応 VBA 対応で、簡単なマクロなら動かすことはできるようですが、何が動いて何が動かないのかが予想できないみたいです。
したがって、あらかじめマクロはほぼ無理だということを承知して購入すべきです。
Excel で作成された請求書です。
表レイアウト、フォント等まったく問題ありません。数値を入れたら合計を自動計算して自動入力くれる部分に関してもまったく問題ありません。
セルの保護もしっかり互換しています。
簡単な表計算はバッチリな互換性です。ぼくは、このような簡単な表計算でしか Excel を利用しないので、WPS Spreadsheets でも全然問題が無いということになります。
多少表示されるメニュー項目に差異はありますが、Excel で設定したドロップダウンボタンは WPS Spreadsheets でもちゃんと動きます。任意の数値項目部は同じなので許容範囲。
セルの幅などのセルレイアウトも完璧に互換しています。良いですね。
残念なことに WPS Spreadsheets は、折れ線グラフは表示することができないようです。このサンプルの他にも折れ線グラフを試しましたがどれもダメでした。
棒グラフと円グラフは大丈夫です。個人的には折れ線グラフは使わないので問題なし。
WPS Writer と WPS Spreadsheets のツールバーについて
WPS Writer と WPS Spreadsheets のツールバーは、どちらも本家とさほど変わらない見た目と機能を盛り込んで、わかりやすいレイアウトになっていて使い勝手は悪くないです。
WPS Writer のツールバー
WPS Spreadsheets のツールバー
もちろん文書や表の PDF 保存もできます!
WPS Office は文章や表をダイレクトに PDF 保存することができます。
詳しい保存方法は、KINGSOFT サポートの公式サイトに掲載されています。
WPS Office が向いているのはこんなユーザー
- ごく一般的な書類(文書)のやりとりが主流
- 簡単な表計算が主流
- 難しい機能は使わない、基本的な機能だけだよ
- お客さんから届く文書が確認できればそれで良い
- ダウンロードした Office 文書が確認できれば良い
- できるだけ安価に Office が使える環境を整えたい
- マクロは利用しない
こんな感じのユーザーが WPS Office を導入するとお得感いっぱいで良いと思います。
少なくとも WPS Office は有料なだけあって、フリーソフトよりも互換性は間違いなく上ですね(あたり前のことかもしれませんが)。
WPS Office はライトに使う分には必要十分だった
実際に WPS Office をしばらく使用してみて、「ライトに使う」分には、純正の Office の代わりとして十分な性能と互換性を保持していることがわかりました。
特にレイアウトがぜんぜん崩れないのは良いです。良い。
ぼくのように、普通の文書やり取り、請求書や見積書、収益計算の台帳としてなどなど、簡単な作業であればまったく問題なく純正 Office の代わりとして使えます。
ライトなフォーマット用途でしか利用しないなら、普通に仕事でも使えると思います。
これで純正 Office の 10分の1 の金額で買えるんだから、コストパフォーマンス最強じゃないでしょうか? 10分の1 価格と考えれば、多少無い機能も大目に見れるってもんです。
ヤフオクやメルカリなんかで、中古品や違法品に手を出してしまうくらいなら、WPS Office を買ったほうがいろいろコスパが良いんじゃないでしょうか?
最近 WPS Office 2 が登場しました
最新の Office 互換ソフトとして「WPS Office 2」が最近リリースされました。
WPS Office「1」と「2」の違いは、「1」が Office 2016 を元に制作されていることに対して、「2」は Office 2019 が元になって制作されている点と「2」には PDF 編集ソフト「WPS PDF」が同梱されているという2点の違いです(細かい機能差は除く)。
Word・Excel 的なやつ + PDF 編集


Word・Excel 的なやつ + PowerPoint 的なやつ + PDF 編集


Mac 版

