100W / 65W / 45W などの USB 急速充電器に関する商品レビューでは、次のような内容を時折目にします。
レビュー
★☆☆☆☆(星1個)
100W の充電器なのに、スマホを充電したら 20W しか出力されなかった。
つまり、「高出力の USB 急速充電器を購入したものの、実際にスマホを充電してみたら期待したほど速く充電されなかった。充電中の出力を計測してみると、公称値の半分にも満たなかった」という意見です。
このような疑問は、某知恵袋などの Q&A サイトでも時折見かけます。
さて、この問題について、結論から申し上げますと――
充電器の出力が 100W であっても 65W であっても、スマホ側には「定格入力電力」という仕様があり、あらかじめ入力可能な最大電力が決められています。
そのため、どれほど高出力な充電器を使用しても、スマホは自らの定格以上の電力を受け入れることができないのです。
これについて、もう少しだけ深堀りするのが今回の記事内容となります。
100W / 65W / 45W / 30W など、高出力の急速充電器なのに iPhone(スマホ)は 20W しか出ない !? 原因をスッキリ解説
急速充電器でスマホを充電しても W 数が伸びない原因
高出力の急速充電器でスマホを充電しても W 数が伸びない原因は、冒頭でも申し上げたとおり ―
充電器の出力が 100W であっても 65W であっても、スマホ側には「定格入力電力」という仕様があり、あらかじめ入力可能な最大電力が決められています。
そのため、どれほど高出力な充電器を使用しても、スマホは自らの定格以上の電力を受け入れることができません。
ほとんどのスマートフォンでは、入力可能な電力の最大値は「20 W 前後から 30 W 未満」に設定されています。
例えば、最近の iPhone であれば、Apple の公式ページに記載されている仕様から、入力可能な電力の最大値を確認することができます。
iPhone 16 の定格入力電力は「最大 25 W」、ワイヤレス充電の場合は「最大 15 W」とされており、いずれも最大で 30 W 未満に定められています。
そのため、たとえ 100 W の充電器を使用して iPhone を充電したとしても、実際に使用される電力は最大で 25 W までにとどまります。
この点は Android スマートフォンでも同様です。各メーカーの公式サイトなどで端末の仕様を確認すれば、入力可能な最大電力(W 数)を調べることができます。
サポートさん
スマートフォンは、どれほど W 数の高い高出力の急速充電器を使用したとしても、スマートフォン側で定められている上限を超える W 数で充電することはできません。
充電時の最大 W 数は検索や生成 AI で調べられます
スマホ機種ごとの「充電時の最大 W 数」は、検索エンジンで「機種名 充電時の最大W数」と検索すれば出てきますし、最近では Copilot などの生成 AI に尋ねても教えてくれます(無料版で OK)。
基準を満たしているのに最大 W 数が出ない場合は
例えば、最大 25 W で充電できる iPhone に、65 W の充電器を使用しているにもかかわらず、実際には 10 W しか出力されないようなケースがあります。
このような場合、使用している USB Type-C ケーブルが高出力に対応していない可能性があります。
その際は、以下のような高出力対応の USB ケーブルを使用することで、問題が解消されるでしょう。
あとがき
くれぐれもご注意いただきたいのは、スマートフォンには「定格入力電力」という仕様があり、あらかじめ入力可能な最大電力が決められているという点です。
どれほど高出力な充電器を使用したとしても、スマートフォン側は自らの定格を超える電力を受け入れることはできません。
このことを、ぜひ覚えておいていただければと思います。
というわけで、今回は「100 W などの高出力の急速充電器なのに iPhone(スマホ)は 20 W しか出ない!? 原因をスッキリ解説」というテーマでお送りいたしました。