新しい 1TB の外付け HDD を買ってきて、いざ PC に接続してみたら「あれ、931GB しかないぞ!?」なんてこと、経験したことはありませんか?
不良品なのかな?と疑問に思った方もいるかもしれません。
今回は、「せっかく買ってきた SD カードや USB メモリ、外付け HDD や SSD の容量が、どうして記載されている数値よりも少ないのか?」について理由を解説します。
HDD・SSD・USBメモリを買ったら、記載より容量が少ないのはなぜ?
市販されている HDD や SSD など記憶媒体の実容量
販売されている HDD や SSD は、記載されている容量よりも、PC に挿したときに少ない容量が表示されます。
不良品だと慌てる前に、以下の表を確認してくださいね!
あなたの記憶メディアの容量が、実質容量の数値に近ければ “不良品ではありません”。
記載容量 | 実質容量(約) |
8GB | 7.45GB |
16GB | 14.9GB |
32GB | 29.8GB |
64GB | 59.6GB |
120GB | 111.75GB |
128GB | 119.2GB |
240GB | 223.35GB |
250GB | 232.75GB |
256GB | 238.4GB |
320GB | 298GB |
500GB | 465.5GB |
512GB | 476.8GB |
640GB | 596GB |
1TB | 931GB |
2TB | 1.85TB |
3TB | 2.79TB |
4TB | 3.72TB |
6TB | 5.45TB |
概ねこの数値に近い感じで変化すると思われます。
なぜなのか? は以下で簡単に説明します。
HDD・SSD・USB メモリなどの容量が少なくなる理由
通常、僕たちが認識している 1GB とは「1GB=1000MB」という感覚です。
しかし、OS(コンピューター)は 1GB を「1GB=1024MB」と認識しています。
サポートさん
僕たち人間は、十進法(10進数)という「0, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10」といった基準で数を数えていますが、コンピューターは二進法(2進数)という「1, 2, 4, 8, 16, 32, 64…」という基準でものを数えていきます。
この数え方の違いによって、HDD や SSD などの容量にズレが生じる現象が起こります。
人間とコンピューターでは数え方が異なるため、例えば 1GB あたりで 24MB 分の誤差が生まれます。
そのため、人間の感覚で 500GB として販売されている製品でも、コンピューター上では 500GB を下回る表示になってしまうわけです(500GB 以上にはできないので)。
さらに、ストレージをパソコンやスマホで使えるようにするためにはフォーマット作業が必要であり、その過程で保守やシステム領域用に若干の容量が確保されます(データの読み書きを管理する領域として)。
システム領域に割かれる容量はメーカーによって異なるため、先ほど紹介した表とは多少違う結果になることもあります(例えば 128GB のストレージが 116GB 程度になるなど、数GB の差は誤差の範囲です)。
こうした理由から、各メディアのパッケージに記載されている容量と、実際にコンピューターに接続した際に表示される容量には違いが出るのです。
サポートさん
人間とコンピューターの数え方の違いに加え、システム領域用の容量を確保している関係上、記載されている総容量と実際の総容量に違いが生じてしまうのです。
あとがき
というわけで、HDD、SSD、SD カード、USB メモリ、DVD-R などの記憶媒体に記載されている容量が、PC などの機器につなげたときに少なく表示されるのは──
人間とコンピューターの数の数え方が違うために起こる認識のズレ + 管理領域用の容量を確保しなければならないから、と覚えておいてください。
なので、「安心してください!不良品ではありません。」