Windows 11 の電源プランには、通常「バランス」「省電力」「高パフォーマンス」の 3 つが用意されています。
実は、Windows パソコンには隠し設定があり、「高パフォーマンス」よりもさらに上位の電源プラン「究極のパフォーマンス」が用意されているのです。
この「究極のパフォーマンス」は、通常の「高パフォーマンス」よりもさらにパソコンの性能を引き出すために、電力制限や省エネ制御を最小限に抑え、PC の反応速度を最大化します。
サポートさん
「FPS ゲーム」「動画編集」「3D モデリング」などのクリエイティブな作業、ライブ配信、仮想マシンの同時起動といった、“PC の性能をフルに使い切る必要がある作業” 向けの電源プランです。
今回は、そんな隠し設定「究極のパフォーマンス」の表示方法や、メリット・デメリットをわかりやすく紹介いたします。
Windows 11 電源プランの隠し設定「究極のパフォーマンス」の出し方・効果・注意点を解説
目次
隠し電源プラン「究極のパフォーマンス」とは?
この「究極のパフォーマンス」は、通常の「高パフォーマンス」よりもさらにパソコンの性能を引き出すために、電力制限や省エネ制御を最小限に抑え、PC の反応速度や処理能力を最大化する電源プランです。
Windows パソコンは、常に最大の性能を発揮しているわけではなく、消費電力とのバランスをとるために、必要に応じて出力(パフォーマンス)を調整しています。
デフォルトでは、そのバランスが最も取れているとされる「バランス」プランが選ばれています。「バランス」プランでは、発熱や消費電力を抑えるために、一部のハードウェアリソースにリミッター(制限)がかけられており、常時フル性能は発揮されません。
「高パフォーマンス」プランを選択することで、そのリミッターがある程度緩和され、CPU やメモリなどのリソースがより積極的に使われるようになり、一時的に最大性能が発揮されやすくなります。そのため、ゲームや動画編集などのクリエイティブな作業時には「高パフォーマンス」プランが推奨されます。
それでもなお PC の動作に不満がある、あるいは処理負荷の高い作業を常に行う必要がある場合に選択肢となるのが、「究極のパフォーマンス」プランです。
「究極のパフォーマンス」のメリット・デメリット
- 起動や動作の反応速度:
スリープや待機を減らしてサクサク動く - ゲームや重い作業:
常時フルパワー動作なので快適さが向上することも - バックグラウンド処理の抑制:
無駄な省電力を抑えて現在の作業にパワーを全集中させる
- 電力消費が大きい:
特にノート PC だとバッテリーの減りが超速くなる(バッテリー使用時非推奨) - 熱や騒音が増える:
常に高負荷状態になるのでファンが回りっぱなしになることも - 本体劣化のリスク:
長時間使い続けるとパーツに負荷がかかる可能性あり
サポートさん
要するに、「究極のパフォーマンス」プランは、アニメや漫画で“勝てそうにない強敵”と戦うときに使う「限界突破」的な必殺技のようなものです。
ドラゴンボールで言えば「界王拳」のように、長時間の使用には向かないけれど、短時間で飛躍的に自分の能力(=PC の性能)を引き上げる、そんなイメージです。
隠れている「究極のパフォーマンス」を表示させる手順
電源プラン「究極のパフォーマンス」は、普段は隠れて非表示になっています。
以下で紹介する手順を行うことで、電源プラン上に表示させることができます。
タスクバーの ① 検索ボックスに「cmd」と入力します。検索結果にコマンドプロンプトが表示されるので、②「管理者として実行」をクリックします。
ユーザーアカウント制御が表示されます。「はい」をクリックします。
コマンドプロンプト(管理者モード)が起動します。ラインを引いた箇所に以下のコマンドテキストをコピーして貼り付けます。
powercfg.exe -duplicatescheme e9a42b02-d5df-448d-aa00-03f14749eb61
コマンドテキストを貼り付けたら「Enter キー」を押します。
「究極のパフォーマンス」と表示が出れば成功です。電源プランに究極のパフォーマンスが追加表示されるようになっています。
電源プランを「究極のパフォーマンス」に設定変更する手順
タスクバーの ① 検索ボックスに「コントロールパネル」と入力して、②「開く」をクリックします。
コントロールパネルが開きます。「システムとセキュリティ」をクリックします。
「電源オプション」をクリックします。
電源プランが表示されます。追加プランの表示に「究極のパフォーマンス」があるので、クリックしてチェックをいれます。
これで PC の電源プランが究極のパフォーマンスに切り替わります。
「究極のパフォーマンス」はこんな PC 作業に向いています
究極のパフォーマンスが活きる作業シーン
作業カテゴリ | 向いている理由 |
---|---|
🎮 PCゲーム ※ 特にFPSやMMO |
フレームレートの安定やラグの軽減に効果あり。省電力制御を排除して応答性を最大化。 |
🎬 動画編集・エンコード | CPU・GPUをフル稼働させるため、処理時間の短縮が期待できる。 |
🧱 3Dモデリング・レンダリング | レンダリング中のパフォーマンス低下を防ぎ、作業効率が向上。 |
🧪 仮想マシンの同時起動・開発環境構築 | 複数の仮想環境を動かす際に、リソースの割り当てが安定。 |
📊 大量のデータ処理 ※ Excelマクロ・BIツールなど |
バックグラウンド制御を抑えることで、処理の引っかかりを軽減。 |
🖥 ライブ配信・録画配信 | 配信ソフトとゲーム・カメラ処理を同時に行う際の安定性向上。 |
向いていない作業・環境
作業・状況 | 理由 |
---|---|
✍️ 文章作成・Web閲覧などの軽作業 | 性能差を感じにくく、電力の無駄が多い。 |
🔋 ノートPCでのバッテリー駆動 | バッテリー消費が激しく、発熱も増える。 |
🌡 冷却性能が低いPC | 常時高負荷で熱暴走やサーマルスロットリングのリスクあり。 |
サポートさん
「究極のパフォーマンス」は、“PC の性能をフルに使い切る必要がある作業”にこそ真価を発揮します。 逆に、日常的な軽作業ではオーバースペックで、電力やパーツ寿命の面でデメリットが目立ちます。
重要な注意点とまとめ
「究極のパフォーマンス」は、PC を常にフルパワーで動かしてくれる便利な電源プランですが……常時使用し続けることは避けてください!
常にこのプランを使い続けると、必要のない軽作業にもオーバースペックな電力とリソースを使ってしまい、PC に余計な負荷がかかるため、おすすめできません。
サポートさん
例えば、ゲームをプレイする前や、動画編集・3D モデリングなど、PC の性能をフルに活用する必要がある作業を行う前に「究極のパフォーマンス」へ切り替え、作業が終わったら「バランス」や「高パフォーマンス」に戻す──というような使い方が理想です。
「究極のパフォーマンス」を活用することで、少し性能が物足りない PC でも、重たい処理が快適に動作する場合があります。
電源プランをうまく使い分けて、快適な PC ライフをお楽しみくださいね!