2025年7月より、条件を満たした Windows 10 パソコンに対して、サポートを 1 年間無償で延長する「無償セキュリティ更新プログラム(ESU)」の提供が始まっています。
しかし、「無償セキュリティ更新プログラム(ESU)」の提供開始については知っていても、「具体的な条件や登録方法がわからない」という方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、僕の所有している Windows 10 パソコンを使って、実際に「無償セキュリティ更新プログラム(ESU)」に登録してみました。詳しい登録手順を紹介いたします。
Windows 10 のサポートを1年間延長する「無償セキュリティ更新プログラム(ESU)」を実際に登録してみたので詳しい登録方法を紹介します
目次
「無償セキュリティ更新プログラム(ESU)」登録の条件
Windows 10 のサポートを 1 年間延長する「無償セキュリティ更新プログラム(ESU)」を登録するための条件は以下の通りです。
- パソコンを Microsoft アカウントで利用していること
- Windows 10 のバージョンが「22H2」であること
- OneDrive を利用していること(有効化されていること)
- Windows バックアップが有効化されていること
この 4 つの条件がすべて当てはまっていることが、登録の必須条件となります。
なお、Windows バックアップを有効化するには OneDrive が利用できる状態である必要があるため、この 2 つはセットで満たす必要があります。
Microsoft アカウントに切り替える手順
現在ローカルアカウントでパソコンを利用している場合、「無償セキュリティ更新プログラム(ESU)」に登録するために Microsoft アカウントへ切り替えたいときは、以下の手順で簡単に変更できます。
① タスクバーのスタートボタンにカーソルを合わせて、マウス「右ボタン」クリックします。② メニュー内の「設定」をクリックします。
設定が起動するので「アカウント」をクリックします。
ユーザー情報が開きます。「Microsoft アカウントでのサインインに切り替える」があるのでクリックします。
あとは、Microsoft アカウントに登録しているメールアドレスとパスワードを入力すれば切り替えられます(Microsoft アカウントを持っていない場合は、新規登録してください)。
「無償セキュリティ更新プログラム(ESU)」登録手順
それではここから、「無償セキュリティ更新プログラム(ESU)」に登録する手順を紹介していきます。
手順① から順番に行ってください。
※ 以下の手順は、Microsoft アカウントでパソコンを利用しており、OneDrive にサインインしている状態であることが前提となります。
手順①:Windows バックアップを有効化する
① タスクバーのスタートボタンをクリックして、スタートメニュー内のアプリ一覧から「W」の項目にある ②「Windows バックアップ」を探してクリックします。
Windows バックアップが起動します。「この PC をバックアップする」をクリックして選択します。選択したら「次へ」をクリックします。
「続行」をクリックします。
PC をバックアップしています… こちらが表示されれば、Windows バックアップの有効化は完了です。「閉じる」をクリックして終了します。
手順②:Windows Update を確認する
① タスクバーのスタートボタンにカーソルを合わせて、マウス「右ボタン」クリックします。② メニュー内の「設定」をクリックします。
設定が起動します。「更新とセキュリティ」をクリックします。
「更新とセキュリティ更新プログラムに登録して、デバイスのセキュリティを維持しましょう」「今すぐ登録」が表示されている場合は、次の手順「手順③:無償セキュリティプログラムに登録する」へ進んでください。
表示されていない場合は、下の「4」を参考に、プログラムの更新を行います。
①「利用可能になったらすぐに最新の更新プログラムを入手する」のスイッチがオフになっていれば、クリックして「オン」にしてください。
スイッチがオンになっている状態で、②「更新プログラムのチェック」をクリックして、プログラムの更新を行います。PC 再起動の指示がでれば、再起動も行ってください。
手順③:無償セキュリティプログラムに登録する
「今すぐ登録」をクリックします。
“拡張セキュリティ更新プログラムを有効にする” ウィンドウがポップアップします。「次へ」をクリックします。
“追加料金なしで拡張セキュリティ更新プログラムに登録できます” が表示されるので「登録」をクリックします。
数十秒待ちます。
“2026 年 10 月 13 日まで、延長セキュリティ更新プログラムに登録されています” が表示されました。これで登録は完了です。利用中の Windows 10 PC のサポートが1年間延長されました。
「完了」をクリックしてください。
手順通りにやったのに「今すぐ登録」が出てこない場合は…
手順通りに更新プログラムを実行しても、「更新とセキュリティ更新プログラムに登録して、デバイスのセキュリティを維持しましょう」や「今すぐ登録」が表示されない場合の対処方法を紹介します。
対処①:OS ビルドを確認してみる
OS ビルドを確認して、ビルド番号が「19045.6218」以下の場合は、登録に必要な更新がまだ適用されていません。
その場合は、Windows Update の「更新プログラムのチェック」をクリックして更新を行ってください。OS ビルドの番号が「19045.6218」以上になれば、「今すぐ登録」が表示される条件を満たします。
OS ビルドの確認方法は、以下の手順を参考にしてください。
① タスクバーのスタートボタンにカーソルを合わせてマウス「右ボタン」クリックします。② メニュー内の「システム」をクリックします。
詳細情報が表示されるので、下までスクロールします。
Windows の仕様 の項目に「OS ビルド」があります。こちらからビルド番号を確認してください。
対処②:とにかく待つ
対処① を行っても「今すぐ登録」が表示されない場合の対処方法は、結論から言うと「とにかく待つ」ことになります。
というのも、Microsoft 公式サイトにも記載されている通り、「プログラムは順次提供する」という仕組みになっているためです。
具体的には、「すべての Windows 10 PC に一斉に提供されるのではなく、順番に配布されるので気長に待ってください」ということです。
実際に、今回「無償セキュリティ更新プログラム(ESU)」に登録した僕のパソコンでは、条件を満たしてから「今すぐ登録」が表示されるまでに 2 週間かかりました。
また、同じく「無償セキュリティ更新プログラム(ESU)」に登録した数名の知人に聞いたところ、すぐに表示された人もいれば、数週間経ってようやく表示された人もいました。
このように、「すぐに出てくる場合もある」一方で「なかなか表示されない場合もある」ため、気長に待つことが大切です。
重要な注意点とあとがき
今回は「無償セキュリティ更新プログラム(ESU)」の詳しい登録手順を紹介しました。最後に、重要な注意点をお伝えします。
上述した「無償セキュリティ更新プログラム(ESU)」に登録するための条件のうち、
- パソコンを Microsoft アカウントで利用していること
- OneDrive を利用していること(有効化されていること)
- Windows バックアップが有効化されていること
この 3 つの条件のいずれかを、登録後に外してしまうと、それ以降のセキュリティ更新プログラムを受け取れなくなる可能性があります。十分に注意してください。
つまり、一度「無償セキュリティ更新プログラム(ESU)」に登録したら、Microsoft アカウントを使い続ける必要がある、ということになります。
どうしても「ローカルアカウントで使いたい」という方は、「1 年間延長して使う」という点では同じですので、裏技を使って「Windows 11 へアップグレード」してしまうのもひとつの選択肢だと思います。
以下の別記事にて、Windows 11 非対応の Windows 10 PC を簡単に Windows 11 へアップグレードする方法を紹介していますので、参考にしてチャレンジしてみてください。
▼ ツール(フリーソフト)を使わない方法
▼ ツール(フリーソフト)を使う方法