最近、自宅の電話に「光コラボ」の勧誘電話がよくかかってきます。
その電話は、さも NTT 東日本(西日本)からの電話であるかのように誤認させる言い回しで話を進めてきますが、100% NTT からの電話ではなく、代理店などの業者です。
先日、うちの父がその罠にかかり、危うく光コラボの契約をさせられそうになりました。NTT 東日本へ電話で確認したり、消費者センターに相談したりと、面倒な手続きをすることになりました。
読者の皆さんにもぜひ気をつけていただきたいという思いから、今回の顛末や契約してしまった際の対処方法などを掲載します。
今回は 「光コラボの営業電話に気をつけて!100% NTT ではありません。実際に被害に遭った人間が語る迷惑電話の実態」 をお送りします。
最近本当に多い「光コラボレーション」勧誘の営業電話
最近、非常に多く「光コラボ」の勧誘営業電話がかかってきます。
その営業電話の多くは、さも NTT からの電話であるかのように誤認させる言い回しで、
営業電話
「フレッツ光の制度が変わったのをご存知ですか?」
「光コラボに変更しないと、インターネットが継続して利用できなくなることもあります」
など、巧妙にグレーゾーンな話を展開してきます。
その他にも、「今よりも回線料金が安くなる」などのお得感を訴える言い回しもしてきます。
これらの電話をかけてくる相手は、100% NTT ではありません!「NTT はサービスのご案内でこちらからお客様へお電話をかけることはございません」と、NTT に確認したところ、そう明言されていました。
さて、ではこの「光コラボ」とは、どのようなサービスなのでしょうか?
光コラボとは?
光コラボ とは、「光コラボレーション」の略称です。通常、NTT はフレッツ光のインターネット回線を直接消費者に提供しています。
しかし、光コラボを契約すると、フレッツ光回線の提供元が NTT から他の事業者に切り替わります。ただし、使用する回線自体はフレッツ光と全く同じものです。
光コラボサービスの開始により、従来 NTT が直接提供していた回線を、他の事業者も販売できるようになりました。
その結果、各社が契約者を囲い込もうと必死になり、勧誘電話が急増しているのが現在の光コラボの実態です。
光コラボの注意すべき点
光コラボには注意すべき点がいくつかあります。
- 電話をかけてくる相手は 絶対に NTT の担当者ではありません。 しかし、「NTT の代理店」「○○を任されている」など、NTT 関連を匂わせる言い回しで勧誘してきます。
- フレッツ光の場合、支払いや相談窓口はすべて NTT なので、企業としての信頼性が高く安心です。しかし、営業電話経由で光コラボを契約すると、そうした窓口がすべて よく分からない事業者に変更 されてしまいます。
- また、一度光コラボに変更すると NTT とのフレッツ光契約には戻せません。 さらに、光コラボを解約すると、現在の電話番号が変更される可能性があります。
- 光コラボの勧誘では「今より安くなる」という決まり文句を使いますが、現在の契約内容によっては 逆に損をすることもあります。
- 光コラボを契約しなくても、今まで通り問題なくインターネットを利用できます。契約しなかったからといって、不便になることも損をすることもありません。
- こんな時代です。もしその営業してきた業者が倒産したらどうしますか?
以上の 6 つのポイントについて、以下で詳しく解説します。
1:電話をかけてきている相手は NTT の人ではない
前項「光コラボとは?」で記載したとおり、NTT 以外の事業者が自分の顧客を獲得しようと企んで電話をかけてくるのが光コラボの勧誘です。そのため、電話の相手は 100% NTT の担当者ではありません。
さらに言えば、電話をかけてきている相手は、その事業者の社員ではなく、下請けや孫請けの よくわからない会社の営業担当者 であることがほとんどです。
ちなみに、NTT からは営業の電話を一切かけてこないことを NTT に確認しました。
2:NTT から別の事業者へすべてが変更されてしまう
これまでフレッツ光では、支払い先や相談窓口は NTT でしたが、光コラボに変更すると、支払い先は契約した会社に変更されます。
さらに、相談窓口も契約した会社かと思いきや、実際には よくわからない下請け会社 が対応することが多いです。
3:光コラボに一度契約してしまうと2度とフレッツ光には戻せない
この点、勧誘の電話では絶対に言われないことですが、光コラボ に一度契約してしまうと、 NTT との契約には戻せません。
もし契約した事業者が不満で解約しようとすると、現在の電話番号は解約され、解約金 が請求されるという不幸に見舞われます。
さらに、再度 NTT と契約し直す場合、工事費が何万円もかかり、電話番号も再取得することになるため、 再登録 や 教え直し が必要になり、さらなる 不幸 を招くことになります。
4:現在の契約によっては高くなることもある
勧誘電話の相手は、まるで呪文のように「今よりも安くなります」と連呼しますが、現在の契約によっては 割高になることもあります。
また、事業者によっては独自のサービスを展開しているため、気づけば オプション契約 をさせられ、最終的には 高い月額料金 を支払うことになる場合もあります。
5:光コラボを契約しなくてもインターネットは使えます
悪質な業者は、電話口で「光コラボにしないとインターネットの利用に支障が出ます」などと 平気で嘘をついてきます。
しかし、光コラボを契約しなくても、今まで通り インターネットは普通に使えますし、むしろ安定して利用できます。
6:光コラボを契約した業者が倒産したらどうしますか?
たかだか月々数百円の減額に釣られて、NTT からどこの馬の骨ともわからない業者にインターネット回線の契約先を変更し、その業者が倒産したらどうしますか?
その業者には企業としての 信頼性 はありますか? こんな時代ですから、潰れる可能性もあります。
万が一、その会社が潰れた場合、インターネットの再契約が必要になり、高額な工事費 が発生し、新しい電話番号を再取得しなければならなくなるなど、生活に支障が出ることは間違いありません!
一方、NTT は、JR や日本郵政と同様に、国営から民営化された企業 であり、日本が潰れない限り なくならない企業 です。
インターネットというライフラインを契約する際、NTT とその業者 では、どちらがより信頼できる業者でしょうか?
もし 光コラボ を契約するなら、まず 「聞いたことのある大手であること」 と 「自分にとってメリットがある契約かどうか」 (例:ドコモスマホを契約しているから ドコモ光 を契約するなど)が重要なポイントです。
月数百円~1,000円程度の料金差なら、よほどの理由がない限り、 面倒な手続きを避け、現状維持 のままにした方が良いでしょう。また、営業電話をかけてくる事業者のやり口が あまりにも不誠実 であることも、契約を避ける理由となります。
実際に私の父がダマされたエピソード
巧妙な話術により、NTT からの電話だと信じていた父は、相手の指示に従い、PC を起動して、まず フレッツ光 の「光コラボレーション(転用)お手続き」ページを表示させられました。
左上のピンク枠に「NTT 東日本公式ホームページ」と記載されています。このページも非常に巧妙で、その部分を確認した父は、「やっぱり NTT からの電話で間違いないんだな」と勘違いしてしまったようです。
実際、光コラボの転用手続きは、NTT 公式ページ から行う必要があります。そのため、相手は自分が NTT 関係者であると主張し、このページを開かせることで、詳しくない人間は信じてしまうのも無理はありません。
NTT 自体はサービスの勧誘で電話をかけてくることは 100%ありません 。光コラボの契約を迫ってくるのは、NTT 以外の事業者 だということを知っていれば、この時点でおかしいと気づき、断ることができます。
父はそのまま相手の言うとおりに「転用お手続きへ進む」を選択させられます。
この時点で父が、
父
この手続は本当に必要なんですか?
と尋ねたところ、相手は…
この設定をしないといずれご自宅のインターネットが使えなくなるかもしれません。今やっておいたほうが良いですよ!
勧誘員
と言ったそうです。断定していないところが実にいやらしいです。
つづいて、こちらのフォームに個人情報を入力させられます。父いわく電話口の相手はとても丁寧に入力の手助けをしてくれるそうです・・・・。
そして、フォームが入力し終わるとこの画面になります。ここで電話口の相手は「転用承諾番号」を聞いてきます。
この「転用承諾番号」を相手に伝えてしまうとジ・エンドなんです!!
さて、転用承諾番号を父から聞き出した相手は、いよいよ本性を表します。
わりと早めの口調でまくしたてるように・・・
「これで転用手続きはは完了です。今後は○○(事業者名)という名前で料金明細が届くようになります。
また、相談窓口は○○(事業者名)と提携している○○(下請け名)が請け負いますのでよろしくお願いします」と「それから、以後3年契約になりますので、期間内の解約は○万円の違約金が発生いたしますご了承ください」・・・。
勧誘員
ここで父はやっと「こいつは NTT じゃない。騙された!」と思ったらしく・・・
父
おたくは NTT じゃないんですか?
と尋ねると・・・
相手は転用承諾番号をすでに聞いて任務を達成しているので、
私は○○(事業者名)の代理店で NTT 関連のサービスをまかされている○○(下請け名)の○○と申します
勧誘員
とやっと本当の素性を明かしたのです。
これに、頭にきた父は、
父
私は NTT という会社の信用と契約しているんだ!! 決してお金と契約しているんじゃあない!!いい加減なことはするな!! キャンセルしてくれ!! 二度と電話もするな!!
と大声で怒鳴ったそうです。
それで、電話口の女性勧誘員は、
もっ申し訳ありません。本日の内容はキャンセルとして手配いたします
勧誘員
と電話を切ったそうです。
これが父と光コラボ勧誘とのやりとりの大まかな内容です。
後日談
あとでこの話を聞いたぼくは、「これはまずいかも」と思い、休み明けの朝一番に NTT へ電話をかけて契約内容を確認しました。
NTT のオペレーターによると、契約内容はまだ変更されていなかったものの、契約変更の申し出が提出されているとのことでした。
それを取り下げるには、契約をした会社に直接連絡し、取り下げの手続きをしなければならないとのことでした。
しかし、父と電話をした相手は最後に自分の会社名をわかりにくく伝えただけで、正確な会社名がわかりません。わかっているのは電話番号だけですが、その番号にかけても、いつも話し中で繋がりませんでした。
そこで、NTT のオペレーターの勧めもあり、消費者相談センターに相談することにしました。
消費者相談センターの相談員に事情を話し、かかってきた電話番号を伝えると、大元の事業者 が判明しました。消費者相談センターのデータベースはすごいですね!
相談員がその会社に連絡を取ってくれて、無事に契約を取り消すことができました。
これでホッと胸をなでおろした、今回の顛末でした。
消費者相談センター、頼りになります!!
続いて2ページ目にはとても大切なことを書きました。絶対に読んでくださいね!