このピョンチャンオリンピックから加わった新種目「マススタート」の初代金メダリストに高木菜那選手が輝き、大変盛り上がりました。ぼくもテレビの前で熱狂していました。
その影で、銀メダルを取得した韓国のキムボルム選手が、観客席に向かい膝をつき頭を垂れる行動を取りしました。
日本人ならあれを見てしまえば「土下座」だと思うかもしれません。
しかし、あれは土下座ではありません。
ぼくの妻は韓国人なので、詳しく聞くと、キムボルム選手が取った動作は・・・
ここがポイント!
クンジョル(お正月などでは「セベ」)と呼ばれる、韓国では深い敬意をはらう挨拶や感謝を表すときに用いる儒教的な所作です。クンジョルは額の前に手を合わせるのが特徴です。
ぼくはといえば、韓国のお正月で、姪っ子(義弟の娘)にセベされたあとに、お年玉をあげます。結婚式では、自分と妻の両親や親戚にクンジョルしましたし。
このように韓国では一般的に用いられる敬意をあらわした所作で、大変丁寧なお辞儀といっても良いのかもしれません。
今回のキムボルム選手の場合は、おそらく、「観客(国民)に深い敬意をもって『感謝や贖罪』などの気持ちをこめて」クンジョルしたんじゃないでしょうか。
・・・
というわけで、もうネット上には「キムボルム土下座」「銀でも土下座」のようなことがいくつかあがっていますが、そのような書き方は間違いなので、文化の侮辱になるのかもしれません。
土下座ではないんです。
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因みに韓国にも土下座はありますが、クンジョルとはちゃんと区別されています。